人気沸騰中! ヴィンテージリーバイス501各モデルの特徴と2023年現在の相場について

    2023.08.22

    投資目的で購入されるほど、世界的に人気が高く取引価格が高騰しているヴィンテージリーバイス501。今回の記事では、ヴィンテージリーバイス501の年代による特徴や各モデルの相場についてご紹介します。

    ※記事内で紹介している価格については、筆者調べによる東京都内のヴィンテージ古着店の相場を基にしています。価格は随時変動する可能性があるため、ご購入を検討する際は事前のご確認をお願いいたします。
    (TOP画像引用:masagonia)

    ヴィンテージリーバイス501の歴史

    鉱夫が着用するワークパンツが、長い歴史を持つリーバイスの始まりです。現在も象徴となっているロットナンバー“501”は1890年代に初めて付けられました。

    その後、世界的な大恐慌からアメリカが立ち直る頃の1937年、第二次世界大戦中の1944年、大戦後の1947年、501を穿いたハリウッドスターがスクリーンに映し出された1955年、Love&Peaceが叫ばれた1966年、ベトナム戦争が終結した翌年の1976年。

    アメリカ、そして世界の変革とともにリーバイス501は姿を変えながら、現在も広く愛される“ジーンズ”として、定番のファッションアイテムとなりました。

    移り変わるトレンドのもとで再び脚光が

    画像提供:masagonia

    1990年代に古着の大ブームが訪れ、ヴィンテージリーバイスも一気に価格が高騰しました。しかし、2000年代に入ると「プレミアムデニム」と呼ばれるアメリカ・イタリアブランドの美脚ジーンズがメンズファッションを席巻。ヴィンテージジーンズは一部のファンのみが穿くアイテムとなりました。

    しかし、2010年後半を迎えるとテーラードジャケットを着るようなメンズドレスファッションが停滞し、再びアメリカンカジュアルがリバイバル。ファッショントレンドの移り変わりは怖いもので、ついこの間はトレンドだと思っていたアイテムがいつの間にか時代に置いていかれていることが、しばしば起こります。

    上の画像で筆者が手にしているのは、1954年製の『リーバイス501ZXX』。筆者が6年前に原宿の老舗ヴィンテージ古着店『ベルベルジン』に訪れた際には、まだ7万円台で購入できました。

    2023年現在で同年代・同コンディションの『リーバイス501ZXX』を買うためには、安く見積もっても10万円代後半はするはずです。

    筆者はヴィンテージ古着が高騰する2020年以前からアメリカンカジュアルのヴィンテージファッションに興味を持っていたため、たまたま安く購入できましたが、2017年に購入した当時はヴィンテージリーバイス501がこれほどに人気を集め、高騰するとは夢にも思いませんでした。

    ヴィンテージリーバイス501の特徴

    リーバイス501を語る上で欠かせない特徴をいくつか紹介します。
    ◆パッチ

    ◆パッチ

    ウエスト後ろに縫われている品質保証書です。

    引用元: LEVI'S® VINTAGE CLOTHING ビンテージ クロージング タイムライン | リーバイス® 公式通販

    ◆赤タブ

    ◆赤タブ

    後ろのポケット横に縫い付けられている赤い布です。様々なデザインがあり、モデルならではのタブもあります。

    ◆セルビッジ

    ◆セルビッジ

    アウトシームに施された生地の端のほつれ止めです。「耳」とも呼ばれます。セルビッジが付いているデニムは一般的に高価です。

    引用元: LEVI'S® VINTAGE CLOTHING ビンテージ クロージング タイムライン | リーバイス® 公式通販

    ◆ボタンフライ

    ◆ボタンフライ

    一般的なジッパーとは異なり、501モデルはフロントをボタンで開閉します。生地が縮んだ際に型崩れを起こす場合があるため、影響の少ないボタンフライが採用されています。

    引用元: 501®オリジナルフィット 150周年“JAPAN”モデル (MEN)  |リーバイス® 公式通販

    ◆ボタン裏の刻印

    ◆ボタン裏の刻印

    トップボタンの裏には製造工場や地域を表す刻印が施されています。ヴィンテージには1桁の数字や英字、80年代頃までは2桁の数字が刻印されているなど、年代を見分ける参考になります。

    引用元: 501®ジーンズ150周年 | リーバイス® 公式通販

    リーバイス501ヴィンテージの代表的モデル

    リーバイス501XX

    ◆ボタン裏の刻印

    画像:masagonia

    ヴィンテージ古着業界にて圧倒的な存在感を誇る『リーバイス501XX』。先ほどご紹介したベルベルジンの店長で、古着業界で名を馳せるベルベルジンのディレクター・藤原裕さんも愛用しています。

    ひと目だけでは現行モデルの501と大差が無いように見えますが、この『XXモデル』にはヒップポケットの裏に通称“隠しリベット”と呼ばれるポケットの補強パーツが付けられています(ただし、ヴィンテージ501XX最終年のモデルのみ付かない場合があります)。
    ◆ボタン裏の刻印

    画像:masagonia

    ヴィンテージの501XXは古着店で見つけられたとしても、ガラスケースの中やレジの奥など中々手に触れられない場所に陳列されていることがほとんどで、それだけ希少性が高いことがお分かりになるかと思います。

    参考までに、2023年現在における501XXの相場は、2つ上の画像のようにダメージが少ないコンディションで30万円前後です。

    また、価格に影響を与える要素としてはインディゴカラーの色残りやサイズも挙げられます。デニムの色が薄ければ薄いほど価格は安くなる傾向はありますが、501XXはそれでも10万円台の価格が付けられています。

    リーバイスS501XX“大戦モデル”

    ヴィンテージデニム愛好家に圧倒的な人気を誇る501XXモデルは、第二次世界大戦以前のモデルから1996年に発売された501XX最終モデルまで細分化されています。

    戦前~戦時中に生産された通称“大戦モデル”の取引額は100万円を優に超えます。そのため、実物資産投資に向いているヴィンテージジーンズとなるでしょう。ジーンズ愛好家としても知られる草彅剛さんも、このモデルをコレクションしているそうです。

    リーバイス501XX“47モデル”

    終戦後の1947年にリリースされた通称“47モデル”は、実際に日常生活で穿ける501XXとして最高峰のモデルです。

    愛好家には「最も完成されたリーバイス501」と言われるほどで、無骨な印象を与える極太のシルエットやディテールにマニアは惚れ込んでいます。

    ヒップポケットに付いた赤タブには片面のみ“LEVIS”と刺繍され、腰回りのサイドには20cm以上の再度ステッチがあります。
    ◆ボタン裏の刻印

    画像:masagonia

    1953年以降にモデルチェンジされた通称“53モデル”のサイドステッチと比較すると、一目瞭然で違いが確認できます。
    ◆ボタン裏の刻印

    画像:masagonia

    参考までに、筆者が所有する47モデルは友人から10万円で譲っていただきました。色は薄めながら、日本人サイズかつノーダメージのため、現在購入するとしたら20~30万円位にはなると思います。

    53モデルはインディゴが濃い目に残り、欠損しやすいレザーパッチも残っているため30~40万円ほどの値段が付くと考えられます。

    リーバイス501ZXX(502)

    ◆ボタン裏の刻印

    画像:masagonia

    1954年、アメリカ東部への進出を目指したリーバイスがリリースしたジップフライのジーンズです。後に『502』へと品番が変わります。

    画像ではボタンフライの501(画像左)と並べて比較しました。ボタンフライの表面はボタンとボタンの間が凸凹となり、立体的に色落ちしています。ジッパーフライ(画像右)は表面がフラットで、色落ちも平面的です。

    リーバイス501“Big Eモデル”

    ◆ボタン裏の刻印

    画像:masagonia

    501XXの製造が終了した翌年、1967年に登場した『リーバイス501Big E』は、ヒップポケットに付いた赤タブの表記が「LEVI‘S」と大文字のEが使われていることから、Big Eと呼ばれるようになりました。
    ◆ボタン裏の刻印

    画像:masagonia

    Big Eモデル時代になると、501XXの隠しリベットは簡素化されて無くなり、作業着からファッションアイテムに昇華するため、シルエットも大幅に変更されています。2003年に製造終了となるアメリカ製リーバイス501が持つ、誰にでも似合うエバーグリーンなシルエットはこのBig E時代に完成していたと言えます。

    Big Eは501XXと比べて市場での残存数が多く、まだまだインディゴカラーがしっかり残った個体を購入可能です。画像右の501Big Eは、筆者が3年前に名古屋のヴィンテージ古着屋にて16万円で購入しました。現在は30万円ほどの値がつくと考えられます。

    リーバイス501“66モデル”

    ◆ボタン裏の刻印

    画像:masagonia

    1970年代に製造された通称“66前期”モデルは、新品に付く紙フラッシャーのコピーライトが「1966」と記載されていることから、66モデルと呼ばれています。

    66モデルは、1977年に染料が変更されるタイミングで“66後期”モデルに移行しました。染料が変わった影響で「縦落ち」と呼ばれるヴィンテージ特有の色落ちが無くなり、相場にも影響を与えました。

    メリハリの効いた縦落ちと腰回りに横線が入った通称「ヒゲ落ち」が非常にヴィンテージらしい雰囲気を醸し出し、一目でヴィンテージデニムの魅力が伝わることも66前期の魅力の一つです。
    ◆ボタン裏の刻印

    画像:masagonia

    現在は、色残り7割程度の66前期は10~15万円ほどで購入できます。66後期は80~90年代のレギュラーと呼ばれるモデルと雰囲気があまり変わらず、ヴィンテージ感が薄いことから値はそれほど上がっておりません(筆者が所有する66後期は、2022年にヤフオクにて1万6,000円で購入しました)。

    リーバイス501ヴィンテージの価値

    アメリカ西部にあるニューメキシコ州で行われた『Durango Vintage Festivus』でのオークションでは、廃坑で発見された1880年代のLevi’sヴィンテージが登場し、なんと約1,300万円(手数料込)で取引されました。

    ヴィンテージデニムはタイやシンガポールなどのアジア圏でも非常に人気が高く、今後も相場は下がらないと考えられます。色が残る個体は資産価値が高く、古着店の入荷日には投資目的として購入を目指す方々が非常に多いです。

    国内のオークションでも高値での取引実績があります。

    ヤフオクでの取引実績

    ◆30's 501XXC

    ◆30's 501XXC

    2023年2月に200万円で落札。

    引用元: ヤフオク!

    ◆40's 501XX

    ◆40's 501XX

    2022年11月に170万1,000円で落札。

    引用元: ヤフオク!

    ◆40's S501XX

    ◆40's S501XX

    2023年1月に150万1,000円で落札。

    引用元: ヤフオク!

    まとめ

    ここまで、ヴィンテージリーバイス501モデルの特徴やディテールの違い、相場についてお伝えしてきました。投資用に購入を検討されている場合は1940~50年代の501XXがおすすめです。

    1960年代の501Big Eや1970年代の66前期を検討される場合は、デッドストックないしはなるべく濃紺な状態をキープしている個体を探されると、資産としても魅力的でしょう。

    ここ5年間で、ヴィンテージデニムの値段は501のほかデニムジャケットもともに高騰しています。世界的な人気の高まりを考慮すると、早晩値崩れすることは無いと考えられます。

    古着業界には「今日現在が最安値」との合言葉があるほどですので、良い個体のヴィンテージリーバイス501に巡り会えた際には、迷わず購入した方が良いでしょう。ご検討の際、この記事がお役に立てれば幸いです。
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