推定価格伸び率630%以上のモデルも!注目を集めるオメガの資産価値を解説
2021年に開催された東京オリンピックにて、29回目となる公式タイムキーパーを務めた高級時計ブランドのオメガ。高い知名度と揺るがない品質を持つオメガの腕時計を購入したいと思われる方は多いのではないでしょうか。
本記事ではオメガの腕時計が持つ資産価値や、その価値を支える理由をご紹介します。投資対象としてオメガを購入しようと検討されている方も、ぜひ参考にしてください。
(TOP画像引用:OMEGA)
オメガ腕時計の歴史
オメガの歴史は、1848年にルイ・ブラン氏がスイスに設立した工房からスタートします。「オメガ」としてブランドが走り出したのは、工房の設立から50年以上が経過した1903年のことです。
世界初となるミニッツリピーター腕時計を製作するなど世界で高い評価を得ていたルイ・ブラン氏。後を継いだブラン兄弟は、1885年に製造した量産型キャリバー「LABRADOR(ラブラドール)」を皮切りに、1894年までに19ラインのキャリバーを発表。
特に、1894年に開発したポケットウォッチ用のキャリバー「19 ligne」は極めて高い精度を誇り、リューズによる巻き上げや時間設定が可能で全部品が取り換えられるなど、当時の時計業界に衝撃を与えました。
この高性能キャリバーに、ギリシャ語のアルファベットの最後の文字となり“究極”という意味を持つ“オメガ”の名を冠したことで、今に続くブランドが歩み始めました。
オメガ腕時計の技術
一切の妥協をせずに細部にまでこだわるオメガの高い品質は、巧みな技術を用いた多様な素材や部品によって支えられています。
時計の針やベゼルに塗布する蓄光顔料・スーパールミノヴァを業界の先駆けとして導入したり、「シリコンSi14」から人間の髪の毛の1/3の細さのひげゼンマイを製造したりと、先進的な取り組みを重ねてきました。
特に、合金である18Kセドナ™ゴールドは、一般的に金75%以上と銀・銅から作られるレッドゴールドにおいて、銀に代わり希少価値の高いパラジウムを使用。
通常のレッドゴールドよりも退色・耐性に優れたこの素材は、オメガの個性として一つのシンボルとなっています。
投資目的でオメガ腕時計を持つメリット
オメガの時計を投資目的として考えた際に、知っておきたいポイントは「オメガが高く評価される理由」と「オメガの腕時計の価値や変動」の2つです。
まずは、オメガの腕時計が高い評価を受ける4つの理由をピックアップしました。
【理由1】コストパフォーマンスの高さ
技術力の結晶とも言えるオメガは、高品質にも関わらず高級時計としては価格が抑えられています。例えば「コーアクシャル クロノメーター 39.5mm」の定価は42万9,000円です。
「オメガ」の名に気後れせずに、購入を検討できる価格帯のモデルも多く、他の高級腕時計ブランドと比べて、コストパフォーマンスの高さでも名を知られています。
【理由2】時代に左右されないデザイン
オメガは新作モデルや限定モデルを定期的に発表していますが、基本的なベースデザインはさほど変わりません。
時代に左右されない確かなデザイン性には安定したニーズがあり、オメガが高く評価され続けている理由の1つです。
【理由3】深海、そして宇宙でも時を刻み続ける技術
オメガを代表する「Seamaster」シリーズは、地球最深部に初めて到達した時計。水深6,000mの防水性能を持つ「ULTRA DEEP」もラインナップされています。
また、アメリカ初の有人宇宙飛行計画に宇宙飛行士が使用し、その後NASAの公式時計として人類初の月面着陸を支えた「Speedstar」もオメガを代表するシリーズです。
過酷な環境下でも時を刻む時計を開発したオメガは、高い技術力を世界中に示してきました。揺るがない技術力に集まる信頼度の高さは、数ある高級時計ブランドでもトップクラスと言えるでしょう。
【理由4】豊富なバリエーション
性別や年代を問わず支持を集めているオメガ。幅広く人気を集めている理由と一つとして、豊富なバリエーションが挙げられます。
スポーティなデザインからクラシカルなデザインまで幅広いモデルを展開しており、常に話題性が豊富です。
投資価値の高いオメガ腕時計を紹介
オメガには「スピードマスター」「シーマスター」「コンステレーション」など、さまざまなシリーズが展開されています。
数あるラインナップの中で、人気・価値ともに高いシリーズと言えばスピードマスター。特にプロフェッショナルモデルの注目度は年々上がっており、投資目的で所有される方も増えています。
ここでは、投資価値の高いオメガの腕時計をピックアップして紹介します。
Omega Speedmaster Alaska Project
2008年に発売された「スピードマスターアラスカプロジェクト Ref311.32.42.30.04.001」は生産本数が1970本限定と少なく、希少価値があります。
2011年11月時点の推定価格は約49万円でしたが、2023年6月時点では約300万円と約630%の大幅上昇。ちなみに、2018年6月時点では約180万円だったため、ここ5年間に限定しても100万円以上値上がりしています。
スピードマスターアラスカプロジェクトの特徴は、太陽光の反射を軽減する特殊な文字盤。付属の赤いアルミケースとホワイトストラップを装着すれば、装いも新たに楽しめます。デザイン性が高く、時計コレクターにとっても非常に魅力的なモデルです。
発売から15年以上が経過しているため、出回っている品のほとんどが中古ですが、未使用の状態ならばさらに高額での取引が想定されます。
Omega Speedmaster Snoopy
2003年に5,441本限定で発売された「スピードマスタープロフェッショナル スヌーピーアワード Ref.3578.51.00」。
盤面には1960年代にはNASAのマスコットに選ばれたスヌーピーが描かれ、ケースの裏には象徴的なメッセージと言える“Eyes on the Stars(星をみてごらん)”文字が刻まれています。
2011年6月時点での推定価格は約48万円。特に、2020年から2021年にかけて急激に価格が高騰し、2020年には100万円台で取引されていました。
2021年には約300万円を突破する高騰ぶりを見せるなど、高い人気を誇ります。2023年6月時点では約280万円とやや値が落ち着きましたが、依然として高い価値を誇ります。
また、Ref.3578.51.00のほかにもスヌーピーアワードは発売されており、どのモデルも高額で取引されています。
Omega Speedmaster Professional 1968 Ultraman
通称“ウルトラマン”とも呼ばれ、1968年頃に製造されたRef.145.012。「帰ってきたウルトラマン」の劇中に登場する“怪獣攻撃隊・MAT”が来ていた制服と同じ色味を持っていることから、そう呼ばれるようになりました。
Ref.145.012の「1968 Ultraman」は流通数が非常に少なく、投資対象としても注目度の高い一本です。2023年6月時点での推定価格は700万円以上と高い値をつけています。
Omega Speedy Tuesday Speed master
スピードマスターのファンサイト「Fratello Watches」にて、ハッシュタグ「#Speedy Tuesday」が2012年に誕生したことから、2017年に2012本限定で作られた「スピーディチューズデー Ref.311.32.42.30.01.001。」
「アラスカプロジェクトⅢ」をリニューアルしたデザインで、ブラックダイアルにシルバーのスモールセコンドの色合いを持つことから“逆パンダ”とも呼ばれるカラーコントラストが印象的です。
同モデルの価格は年々上がっており、2018年2月時点には約108万円、2021年2月時点には約140万円、2023年6月時点には197万円と上昇中。
記念モデル、かつ文字盤が人気の高い逆パンダ仕様、近年注目を集めているアラスカプロジェクトのリニューアルモデルであることなど、様々な理由が相乗効果となり価値が高まっています。
Omega Speedmaster Professional Moonwatch Apollo 11
1969年7月20日に「アポロ計画」によって実現した月面着陸から50周年を記念し、2019年に発売された「ムーンウォッチアポロ11 Ref.310.20.42.50.01.001。」
アポロ11号にちなみインデックスには11時のみ数字が入っており、ケース裏には月面着陸した際の足跡と、アームストロング船長の名言“THAT’S ONE SMALL STEP FOR A MAN,ONE GIANT LEAP FOR MANKIND(これは一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な飛躍である)”が刻まれています。
同モデルは、ベゼル・インデックス・針などの一部にゴールド素材を使用していることから発売当初の定価は113万3,000円と高額でしたが、2023年時点の定価は152万9,000円に値上がりしています。
有名ブランド時計を中心に販売するサイト「Chrono24」では、2020年12月時点での取引価格は約154万円でしたが、2023年6月時点では約223万円に価格が大きく上昇しています。
Omega Seamaster 300 Limited Edition Spectre
2015年に7,007本限定で登場した「Ref.233.32.41.21.01.001」。映画「007」でジェームズ・ボンドが着用したモデルです。
ヴィンテージ加工されたスーパールミノヴァ、印象的な5本のストライプ(通称“ジェームズ・ボンドNATOストラップ”と呼ばれる)が付属されているなど、限定モデルならではのユニークな外観に加えて、最大1万5,000ガウスに対応する耐磁性を持つ機能性の高い時計であることも特徴です。
2016年3月時点では約94万円、2017年3月時点では約111万円、2020年3月時点では約129万円と徐々に価格が上がり、2023年6月時点では約159万円とさらに上昇しました。
月により変動はあるものの年々価格は上昇傾向で、ヴィンテージ感もあるため時計愛好家の心をくすぶるモデルと言えるでしょう。
まとめ
投資対象としてオメガの腕時計を購入する際には、下記3つのポイントに注目しましょう。
◆安定した人気を持つモデルか
◆流通数が増える見込みがあるモデルか
◆正規店で購入しやすいモデルか
オメガの腕時計は様々なモデルがあり、人気の高さはさまざまです。安定した人気と高い需要を誇るモデル、今後流通数の増加が予想される定番モデル、正規店で購入しやすいモデルは価格が安定している一方で価格が上昇しにくい傾向があります。
投資対象としてオメガの腕時計を購入する際には、これらのポイントに気をつけながら、資産価値が高いモデルを探してみるのはいかがでしょうか。
アンティークロレックスの情報収集で悩んでいる人には、幅広いモデルを取り扱っている「Art Bridge」がおすすめです。買取相談も受け付けているので、ロレックスを売却するときにも利用できます。