富裕層が注目するワイン投資の魅力とは? 特徴やリスクを徹底解説

    2023.01.26

    ワイン投資は日本ではあまりなじみがないですが、ヨーロッパでは古い歴史を持ちます。

    金と同じように実物資産としての価値があり、経年による値上がりも期待できることから、実は安定した資産形成の手段として、富裕層を中心に人気を集めています。この記事では、趣味としても楽しめるワイン投資の魅力に迫り、そのノウハウや人気の銘柄を紹介します。

    ワイン投資とは?

    ワイン投資、その特徴とは?

    ワインが投資対象になると聞いて、驚く人が多いかもしれません。しかし2000年以降、リーマンショックやコロナショックなどの金融危機がたびたび起こり、現金の価値に疑問符がつくようになりました。

    金融緩和の影響でインフレが起こり、現金の価値が確実に目減りしていく中、金などの実物資産の価値が上がっています。ワインも実物資産としての価値を有しているため、富裕層を中心に投資対象として注目を集めているのです。

    ヨーロッパでは400年以上の歴史がある

    日本ではワイン投資はまだまだ発展途上ですが、ヨーロッパでは古くから行われている投資方法です。ワインの本場フランスをはじめ、400年以上の歴史を持つと言われており、現在では金投資のような実物投資の1つの手法として広く行われています。

    ワイン投資はどれくらいもうかる?

    ワイン投資は実際、どれくらいの利回りが期待できるのでしょうか。

    ワイン投資の対象となるのは、基本的には「ファインワイン」と呼ばれる高級熟成ワインです。例えば、誰もが一度は耳にしたことがあるロマネ・コンティの40年前の価格は5万円ほどでしたが、現在は安いヴィンテージでも当時の10倍以上になっています。

    40年で約20倍にもなったわけです。また、ファインワインの過去30年の利回りは年率13%程度(Liv-ex Investables index:1986年より)と言われています。インデックスファンドの平均利回りの目安が3~5%程度であることを考えると、かなり高いと言えるでしょう。

    ワイン投資メリット・デメリット

    ワイン投資の3つのメリット

    ▼飲む楽しみがある
    ワインは嗜好(しこう)品です。そのため自身の趣味としてワイン投資を行っているという方も珍しくありません。購入したワインの一部を自分で飲んで消費したり、コレクションするだけで満足できたりといった側面もあります。このように楽しみながら投資ができるという点が、ワイン投資の最大の魅力です。

    ▼時間がたつほど希少価値が増す
    ワインは時間が経過するほど熟成し、味わいが増していきます。また、古い時代に作られたワインは新たに数が増えることはありませんし、飲まれるごとに在庫はどんどん減っていくため、価値がいっそう高まります。

    ▼価格変動の影響を受けにくいため不況に強い
    ワインは株式や債券といった金融資産の価格変動の影響を受けにくいため、不況に強い資産と言えるでしょう。仮にインフレが起きて物の値段が上がればワインの価値も連動して上がるため、インフレリスクも避けやすくなります。そのため、ワイン投資は分散投資先としても適していると考えられます。

    ワイン投資の3つのデメリット

    ▼保管するのが難しく、破損・盗難のリスクがある
    ワインはとても繊細です。希少価値が高いヴィンテージでも保管状態が悪く、味が落ちてしまっては思うような値段はつきません。専門家のセラーに預けるのが無難ですが、管理費や手数料がかかることは考慮しておきましょう。

    また、ワインの瓶は割れものですから、用心して専門家に預けていたとしても、災害などによって破損すれば価値はなくなってしまいますし、盗難のリスクもあります。

    ワインやアート作品の劣化を防ぎ、資産価値を守るためには「美術倉庫」がおすすめ。ワインを最適な環境(温度や湿度など調整した専用の倉庫)で保管し、取り扱いはプロフェッショナルが対応します。自分でワインの保管ができない方はぜひ利用しましょう。

    ▼短期投資に向かない
    高級ワインは過去のデータを見れば、長期的には価格が上昇する可能性が高いと言えます。しかし、短期的には下落する場合もあります。

    加えて、もし所有するワインの価値が上がったとしても、買い手が現れなければ売却することができません。つまり株式のように望んだタイミングですぐに売却できないため、急に現金が必要になっても間に合わない可能性があります。

    短期投資には向かないので、当面は使うことのない余剰資金で行うことをおすすめします。

    ▼為替リスクがある
    ワイン投資の取引が行われるのは、ほとんどがヨーロッパ、アメリカなどの海外です。そのため、やりとりはユーロ建てやドル建てで行われます。

    日本人の場合だと、円をユーロやドルに変える必要があるため、その時の為替の影響を大きく受けることになります。例えば、ドルベースでは高く売れたのに、円ベースでは結局損をしてしまったという残念な事態にならないように、為替のタイミングを見極めることも重要になってきます。

    ワイン投資を始めるには?

    インポーターから買い付ける

    では実際にどのように投資用のワインを購入したらいいのでしょうか。

    個人が店舗で購入し、適切な環境で熟成させることができたとしても、それを証明することはほぼ不可能です。基本的には、「ワインインポーター」と呼ばれる、ワインの購入、保管、売却を一手に引き受けてくれる事業者を通じて行うのがよいでしょう。もちろん手数料や保管料はかかりますが、この保管料には保険がかかっている場合も多いので、破損に対するリスクヘッジにもなります。

    ワインファンドなど金融商品に投資する

    インポーターとのやりとりや、ワインの目利きに自信がないという場合には、ワインファンドなどの金融商品を購入するという方法もあります。

    ファンドでは、投資家から集めた資金を使って、プロが代わりにワインを購入し、値上がりするのを待ちます。いわゆる投資信託のようなものだと考えればイメージしやすいでしょう。

    全てお任せですみますし、小さな単位からでも取引できるのがメリットですが、売買手数料や保管料などの手数料がかさむという点は把握しておきましょう。また、中には詐欺まがいのファンドが存在したり、会社の倒産により出資金が戻ってこなかったりといったリスクもあります。

    オークションで取引する

    もう少し気楽にワインを購入したいという方は、インターネットのオークションを利用してみるのも一案です。インポーターから買い付ける方法と比較すると、希少なワインを手に入れることが難しいですが、ワインの知識に自信があればネットオークションを利用してもよいでしょう。

    また、インターネットではなく、会場にてリアルで開催されるオークションでワインを購入する方法もあります。中にはワイン限定のオークションも開催されるため、勉強も兼ねて参加しても良いかもしれません。

    ワイン投資におすすめの銘柄を選ぶには

    知識の習得、情報収集を怠らない

    株や証券と同じように、ワイン投資をするには知識を身につけることは必須でしょう。勉強すれば必ず成功するわけではありませんが、予備知識ゼロの状態と比べれば勝率は上がります。

    「代表的な生産国(地域)」「代表的な銘柄」「生産量の推移や特徴」「値上がりが期待できるヴィンテージの特徴」などの知識は、最低でも習得しておきたいものです。まずは書籍などで一般的な知識を学ぶとよいでしょう。

    ただ、生産量、人気の銘柄といったことは、変化していくため、情報のアップデートも必要になってきます。ワインセミナーやワインの買取事業者などが主催する試飲会などにも参加して、情報を集める心構えが大切です。

    投資向きのワインとは?

    どういった傾向のワインが値上がりしやすいのか、指標をいくつか挙げてみます。

    「大量生産していない」「現在は作られていない」「天候不順などにより出来が悪い年が続いた」など、希少性の高いワインには人気が集まります。

    また、ワインの評論家やジャーナリストの評価が高いワインというのも指標になります。中でも「神の舌を持つ男」と呼ばれるアメリカ人のロバート・パーカー氏が好評価をつけたワインは「パーカーポイントが高いワイン」として注目が集まり、値段が高騰すると言われています。

    安定のフランス5大シャトー

    具体的な銘柄としては「フランスの5大シャトー」から始めるのがよいでしょう。

    5大シャトー(シャトー=ワイン生産者)とは、フランス・ボルドーワインの格付けで頂点に立つシャトーのことで、「シャトー・ラトゥール」「シャトー・ラフィット・ロスチャイルド」「シャトー・ムートン・ロスチャイルド」「シャトー・マルゴー」「シャトー・オー・ブリオン」の5つを指します。

    これらのワインは世界的にも有名で価格の変動が少なく、シャトーの名前と生産年によって大体の市場価格の見通しがつきます。そのため、これからワイン投資を始めるという初心者におすすめな銘柄です。

    ワイン投資の魅力まとめ

    インポーターを活用すれば初心者でもチャレンジ可能

    「ワインに投資」と聞くと、特に日本人にとっては、ハードルが高く感じられるかもしれません。海外のワイナリーと直接交渉をしたり、自ら目利きとなってオークションで購入したりということをするなら確かに容易ではありませんが、ワインの購入、保管、売却を一手に引き受けてくれる「インポーター」を活用すれば、初心者でもチャレンジ可能です。

    ワイン投資の手法は、現物を購入して、適切な保管場所で熟成させ、価値が上がったタイミングで売るという非常にシンプルなもの。もちろんある程度の情報収集は必要ですが、株式投資のように日々チャートとにらめっこするといった手間や金融知識は不要です。そういった意味でも、初心者向けの投資と言えるでしょう。

    楽しみながら資産が増やせる

    ワインは本来嗜好(しこう)品ですから、投資以前に純粋にワインが好きという人もいるでしょう。それならコレクションするだけでも楽しめますし、自分が入手したヴィンテージワインを飲むこともできます。知識を増やしたり、情報収集をしたりといったこともまったく苦にならないことでしょう。あくまで趣味として楽しむことが優先で、「利益が出たらもうけもの」といったスタンスで取り組めるのは、ワイン投資の大きな魅力です。

    今後も成長が期待できる

    投資である以上、もちろんワイン投資にもリスクはあります。しかしワインは、金などと同様にそのもの自体に価値がある「実物資産」です。株式投資であれば、会社が倒産したら株券の価値もゼロになってしまいますが、ワインは実物がありますから、ゼロになることはありません。

    また、実物資産はインフレ対策にもなります。仮に1万円で買えたワインが、インフレによって1万2,000円になったとしましょう。現金はインフレになっても1万円は1万円のままですが、1万円で買ったワインはインフレに連動して1万2,000円の価値になるわけです。インフレの波は日本にも押し寄せています。分散投資の方法のひとつとして、ワイン投資を検討してみてはいかがでしょう
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