人気のサブマリーナーを選ぶポイント
ロレックスを代表するモデルであり、防水技術の結晶として1953年に初めて誕生したダイバーズウォッチの名作サブマリーナー。
100m防水・潜水時間を測定するための回転ベゼルを搭載したプロ仕様のダイバーズウォッチとして発売されました。
その魅力は、オンオフ問わず身に着けることができ視認性の高い文字盤デザイン、プロユースにも耐えうる高い防水性、高精度なムーブメントなど、まさに実用時計としての魅力が詰まったモデルといえるでしょう。
サブマリーナー 「ノンデイト」と「デイト」の違い
サブマリーナーには2種類あり、「デイト」と「ノンデイト」があります。
「デイト」とは、カレンダー機能のことで、1965年にデイト機能が発表されて以来、サブマリーナーにはデイトのモデルがあり、現行も様々なバリエーションが発売されています。
一方の「ノンデイト」は、カレンダー機能のないシンプルな作りで、1953年に発売されて今なお根強い人気です。
1989年に発売されたモデルでは、デイトとノンデイトに性能の差がありました。
違いはムーブメントの差で、デイトが主力商品扱いされノンデイトは低コストなムーブメントで製造されたためです。
よって、「ノンデイト」Ref.14060に搭載されているムーブメントは、「デイト」Ref.16610に搭載されている耐久性・精度の安定性・メンテナンス性など完成度の高いムーブメントに比べ、性能が劣っていました。
しかし、最新モデルではムーブメントによる性能の差はほとんどなくなっています。価格面では、ノンデイトに比べてデイトの方が定価で約20万円近くの差があり、高値で取引されています。
サブマリーナーのカラー別の特徴
サブマリーナーには多彩なカラーバリエーションが存在し、通称「黒サブ・赤サブ・青サブ・緑サブ」と呼ばれているモデルがあります。
発売当初は、ベゼルとダイアルが黒の1色のみの展開でした。この中で最も資産価値が高いのは、ロレックスのコーポレートカラーであるグリーンで仕上げられた緑サブ116610LVとなっています。
それぞれのカラーの特徴・人気・相場について紹介します。
■黒サブマリーナーの特徴と相場
Ref.16613の後継モデルとしてデザインを引き継ぎながら、2009年に誕生したRef.116613LN黒サブマリーナーデイトコンビ。
通称「黒サブ」と呼ばれ、18KYGを中央部に配し、高級感とインパクトは絶大で確固たる人気を築いたモデルです。
特徴は、紫外線の影響による退色も起こなさないセラクロムと命名されたロレックスが独自開発したベゼルを装備。
ケースラグ部の大型化により耐食性を高め、ブレスレットはソリッドパーツに変更され堅牢性が向上。バックルは高級感、実用性が改良されたグライドロッククラスプを採用。
発光時間もルミノバの約2倍の長さであるクロマライトを採用するなど、機能性と高級感を兼ね備えたサブマリーナーとして進化し続けています。
■赤サブマリーナーの特徴と相場
いわゆるアンティークモデルの代名詞ともいえる希少価値の高いモデルです。
1965年〜1975年の間に製造されていたサブマリーナーで、文字盤のSUBMARINERのロゴが赤色であることから赤サブと呼ばれるようになりました。よって、ベゼルが赤色というわけではありません。
その中でも、Ref.1680はサブマリーナー初のデイト搭載機種として1970年前後数年のみに作られた希少性の高いモデルです。
■青サブマリーナーの特徴と相場
Ref.16803が青色のサブマリーナーとして初めて1987年に誕生しました。爽やかなブルーの文字盤で、ラグジュアリーな雰囲気漂う青サブは高い人気を誇ります。
意外にも、ロレックスの長い歴史から見ると割と最近になります。発売以来、現在までマイナーチェンジを重ねながらも大きくデザインは変わっていません。
青サブといえば、ステンレスとイエローゴールドのコンビモデルを連想する方が多いですが、他にもイエローゴールド無垢モデル、そして2008年にはホワイトゴールド無垢モデルも発表され、現在3種類のモデルから選ぶことができます。
グリーンサブマリーナーの特徴と相場
前述の通りサブマリーナーには、ベゼルや文字盤もカラーが多彩ですが、その中でもロレックスのコーポレートカラーである緑色を用いたサブマリーナーは「グリーンサブ」「グリーンサブマリーナー」の愛称でファンから親しまれています。
2003年から誕生して現在まで3種類のモデルが存在し、いずれも高相場を維持していますので、それぞれのモデルの特徴と相場について紹介します。
グリーンサブマリーナー16610LVの特徴と相場
初代グリーンサブマリーナー16610LVは、サブマリーナー誕生50周年の記念として2003年に誕生し、2010年まで7年間製造されました。
16610LVの誕生によりサブマリーナー人気は高まり、以降ロレックスはグリーンをデザインコードに積極的に取り入れていきました。
特徴としては、文字盤はブラックのままコーポレートカラーであるグリーンをベゼルに採用し、通常サブマリーナー16610より針とインデックスを大きくして視認性を高めています。
また、幾度もマイナーチェンジを繰り返し、製造年で仕様が異なることでファンの心をくすぶり、後述する「レアモデル」もいくつか存在します。
2022年8月時点の相場は、10年以上前に生産終了となりながらも、生産数が少なかったため常に品切れ状態が続き、希少価値が上がっているため約180万円まで高騰しています。
グリーンサブマリーナー116610LVの特徴と相場
2代目モデルは、2010年から2020年まで発売された116610LVです。
初代と同等スペックながらも、最大の特徴である文字盤にグリーンをあしらったオールグリーンのモデルとして一気に注目され、2020年に生産終了となったことでさらに人気も相場も高騰し、グリーンサブマリーナーの中で最も高値で取引されています。
生産本数が少なかったことに加え、2019年のインバウンド需要がピークだったころ、外国人愛好家の中でも特に中国人愛好家による需要増が大きく影響していているほか、縁起の良いヒスイに色が似ているというのも背景の1つとも言われています。
よって、2022年8月時点の相場は、約290万円と現行モデルより異常なほど高騰して取引されています。
グリーンサブマリーナー126610LVの特徴と相場
現行モデルとして2020年に誕生したのは126610LVで、文字盤はブラックへ変更されたのが大きな特徴です。他にも、前モデルに比べケースサイズを1mm大きくし41mmとなったことで、ラグの形状・ブレスレット幅・1コマの大きさを変更して全体としてのバランスも調整されています。
ムーブメントは新世代ムーブメントと呼ばれるcal.3235を搭載し、独自開発の「クロナジー・エスケープメント」により耐磁性、エネルギー効率を向上させています。相場は、発売直後からプレミア価格となり、ピーク時には300万円まで跳ね上がりました。
もとのグリーンサブ人気から相場も不安定でしたが、200万円前後で落ち着き、2022年8月時点の相場は、約205万円と高相場を維持しています。グリーンサブは生産数が少ないため、今後も需要が尽きることはなく高い相場水準をキープすることでしょう。
現行モデルサブマリーナーの定価と相場
最新のサブマリーナー主要3モデルについて、定価と取引相場を比較して紹介します。
現行モデルサブマリーナー 124060の定価と相場
124060は、2020年に発売されたノンデイト仕様の現行モデル。
ケースは、前モデル114060より1mm大きい41mmを採用していますが、ラグ幅やブレスレット幅を狭くすることで、全体的にはスマートなフォルムに仕上げています。見た目の変化はほとんどないものの、内部機構が大幅に性能アップされ、支持されている理由でもあります。
ムーブメントは自動巻きcal.3230となり、パワーリザーブが70時間に延長されるなど実用性が大きく向上。週末に着用していなくても月曜日まで動いており、使い勝手に優れたモデルとなっています。
シャープなデザイン性と実用性を兼ね備えた124060は、デイト付きモデルより安価で入手できることから、人気を博し、相場の値動きも活発です。124060の定価は990,000円とサブマリーナーの中で、唯一100万円以内で購入することがでます。
取引相場としては約150万円と、約3年間の間に約50万円値上がりしており、堅調に資産価値をあげ、安定的なリセールバリューを誇っています。
現行モデルサブマリーナー 126610LNの定価と相場
126610LNは、前モデルから10年振りとなる2020年に発売された現行モデル。LNは、「Lunette Noir(リュネット ノワール)」の略称で、Noirはフランス語で黒を表すため、黒いベゼルを意味します。
ケースは、前モデル114060より1mm大きい41mmを採用しましたが、ラグ幅をシャープ化してより美しさを引き立てるデザインに変更しています。内部機構も改良が加わり、新世代ムーブメントと称されるcal.3235が搭載され、高耐磁性、約70時間のロングパワーリザーブを誇るなど、ハイスペックムーブメントです。
126610LNの定価は1,118,700円と、ノンデイト仕様と比較すると約13万円の差となっています。
取引相場としては、発売直後は一時200万円を超えていましたが、現在は落ち着きをみせ約170万円の高値をキープし、再び若干の高騰傾向にあります。
現行モデルグリーンサブマリーナー 126610LVの定価と相場
現行モデルで唯一のグリーンサブ126610LVは2020年に発売となり、黒サブ126610LNと同時期になります。
内部機構、スペックについては、126610LNとカラーは異なるものの、同等のハイスペックを実装しています。
しかし、大きく違うのは取引相場になります。126610LV の定価は、1,177,000円と、黒サブ126610LNとは約6万円の金額差に対し、取引相場としては約205万円と、126610LNより30万円以上の高値で取引されています。
発売直後にプレミア価格で相場は推移し、ピーク時には約300万円まで跳ね上がりました。現在は200~250万円に相場は落ち着いていますが、高いリセールバリューと圧倒的な資産価値を持つモデルであることには変わりません。
投資対象としてのサブマリーナーの魅力
投資対象として考えた場合、ロレックスであれば何でも良いというわけではなく、より投資に適しているのはステンレス製スポーツモデルと言えます。ドレスモデルよりもスポーツモデルのほうが堅牢で実用性も高く、デイトナをはじめとするスポーツモデルは相場価格をみてもいずれも高騰しているためです。
そして、その中でも高いリセールバリューを持つモデルとして「サブマリーナー」は投資対象に最も適したモデルの1つです。サブマリーナーには生産終了後でも高額で取引されている希少モデルがいくつか存在します。
廃盤モデルは価格が高騰している
赤サブRef.1680は、1967年頃~1970年代前半の数年の製造期間で、希少価値の高い人気のアンティークモデルであり、当時の価格から10倍以上の価値まで高騰しています。
文字盤の書体「6」や「f」の形が異なることで価値が変わり、中でもメーターファーストと呼ばれる「660ft=200m」という表記の個体は最大約400万円と驚くほど高額で取引されています。
グリーンサブ116610LVは、比較的最近の2020年廃盤となったモデルですが、唯一のグリーンダイヤルを持ち、セラクロムベゼルを採用など、高いデザイン性と実用性を兼ね備えています。海外の富裕層からも人気が高く、廃盤後も高騰を続け、なんと現行モデルよりも高額な約290万円で取引されています。
サブマリーナーのレアな個体
サブマリーナーの中でも高額で取引されるレア個体が存在し、2010年に廃盤となったグリーンサブ16610LVを紹介します。
レア個体の特徴としては3つあります。
1つ目は「ファット4」と呼ばれる、ベゼルに表記された「40」の先端が途中で切れてしまっているフォントのもので、製造初期2003~2004年に見られます。
2つ目はベゼルのグリーンが焼けたようなきれいな「ライムグリーン」になっている個体で「ライムベゼル」と呼ばれ、初回生産分のみの非常に希少価値が高い個体となります。
3つ目は「ビックスイス」と呼ばれる、文字盤一番下の6時方向に表記された「SWISS MADE」の文字が大きいことに加え、「SWISS」と「MADE」の間隔が空いている個体です。
これら3つの特徴の揃い具合によって呼ばれ方や評価も変わり、現在は300万~400万円と非常に高額で取引されています。
まとめ
サブマリーナーがデザイン性だけでなく、高価買取を期待できる投資価値として優れたモデルであり、選び方のポイントについて紹介しました。
・デイト付きを狙う
・赤サブなどアンティークモデルを狙う
・廃盤終了モデルを狙う
・人気のグリーンサブを狙う
・レア個体を狙う
投資価値もありながら、普段から身につけて楽しむことができるのが他の投資方法にはない魅力の1つです。
年々ロレックス投資への注目は高まり、長期スパンでみれば十分に価値が上がっていくことが考えられるので、まずはお気に入りの1本を購入してじっくりと味わい、高騰してきたタイミングで高価買取してもらうのがロレックスへの投資として賢い方法です。
ここまで読んでいただいた方には投資価値を十分に理解しているはずです。ぜひお気に入りの1本を見つけて、サブマリーナーと過ごす時間を楽しんでください。