ロレックス投資で失敗してしまう理由とは|成功する例も含めて解説

    2023.05.26

    ロレックスの時計は実物資産に該当し、アクセサリーはもちろん投資対象としての魅力も備えています。ただし、ロレックス投資は成功するとは限らないため、始め方や売却のポイントをしっかりと押さえることが重要です。

    本記事ではロレックス投資のポイントを、よくある失敗例や成功例を通して初心者向けにまとめました。これからロレックス投資を始める人は、ぜひ参考にしながら今後の計画を立ててみましょう。

    ロレックス投資は成り立つ?実物資産としての特徴

    そもそも、ロレックスの時計は投資対象になるのでしょうか。まずは人気モデルの価格推移から、実物資産としての特徴を押さえていきましょう。

    ※人気モデル「デイトナ 16520(ステンレス・文字盤ブラック)」の価格推移。中古品の取引価格は、過去10年で3.2倍ほど上昇している。

    引用元: chrono24「Rolex (ロレックス) デイトナ」

    ※人気モデル「サブマリーナー 5513(ステンレス・文字盤ブラック)」の価格推移。こちらのモデルも、中古品の取引価格が過去10年で約2.6倍に伸びている。

    引用元: Chrono24「Rolex (ロレックス) サブマリーナ ノンデイト」

    ロレックスの中でも人気モデルの取引価格は、数年で3倍以上に高騰することがあります。他にも取引価格を伸ばしているモデルが多いため、ロレックスの時計は投資対象として十分に成り立つでしょう。
    <ロレックスの実物資産としての特徴>
    ・人気モデルは数年間で取引価格が3倍以上になることもある
    ・デイトナやサブマリーナーなど、根強い人気のモデルが多い
    ・趣味としても楽しめる(コレクションやファッション)
    また、ロレックスの時計は需要によって価値が変わったり、景気や経済動向にも左右されにくかったりという特徴もあるため、インフレや不況時の対策としても活用できるでしょう。

    ロレックス投資でよくある失敗例

    ロレックスの時計には実物資産としての価値があるものの、実際の投資では失敗することもあります。ここではよくある失敗例を7つ紹介するので、参考にしながらロレックス投資の始め方を考えてみましょう。

    失敗例1.現行品を正規店以外で購入する

    ロレックスの時計の仕入れ先には、並行輸入店やネットオークションなどさまざまな選択肢があります。しかし、正規店以外の仕入先では細かいキズが放置されていたり、相場よりも高い価格で買わされたりする恐れがあるなど、品質面や価格面でのリスクがあります。

    また、モデルによっては正規修理に対応してもらえなくなるため、オーバーホール(※)​の料金が高額になる可能性もあります。
    (※)時計を分解し、洗浄やパーツ交換、注油などのメンテナンスを行うこと。

    ロレックスのオーバーホールについては、下記の記事で分かりやすく解説しています。費用の相場や依頼先、必要性などを知りたい方は、あわせてチェックしておきましょう。

    失敗例2.「人気モデルだから」という理由だけで選ぶ

    ロレックスの時計は、需要だけではなく「流通量」によっても価値が変わります。そのため、「人気モデルだから」という理由だけで購入するモデルを選ぶと、投資に失敗するリスクが高まります。

    また、リファレンスナンバー(型番)やデザイン、機能などによっても需要は変わるため、細かい部分まで比較した上で投資対象を選びましょう。

    失敗例3.短期のリターンを狙う

    需要が高いモデルでも、ロレックスの時計は時間をかけて取引価格が上昇する傾向にあります。仮に1年未満で売買をすると、リターンを最大化できるタイミングで売却できない、赤字になってしまうなどのリスクが高まります。

    投資対象として購入する場合は、数年〜10年以上のスパンが基本となるため、短期ではなく長期のリターンを狙いましょう。

    失敗例4.円安が続きそうなタイミングで始める

    ロレックスの時計は海外製品なので、仕入れの際には為替変動の影響を受けます。そのため、もし円安が続きそうなタイミングで始めると、仕入れコストの上昇によってリターンを得ることが難しくなります。

    高価なモデルほど円安の影響を受けやすいため、特に投資資金が多い人は為替レートを小まめに確認し、仕入れのタイミングを慎重に判断しましょう。

    失敗例5.使用によって状態が悪化する

    ロレックスの時計は、コレクションやファッションとしても楽しめるアイテムです。しかし、定期的なオーバーホールや防水チェックをせずに使用すると、状態の悪化によって価値が下がってしまうことがあります。

    投資目的でロレックスを購入する場合は、普段から厳重に保管・管理することを意識し、必要に応じて専門店にオーバーホールを依頼しましょう。

    失敗例6.ニセモノに引っかかる

    ロレックスのような高価なアイテムには、精巧な偽物が存在しています。当然ですが、偽物のロレックスに資産価値はほとんどないため、いくら状態が良くても高く売却することができません。

    本物との見分けが非常に難しい偽物もあるので、現行品は正規店での購入を、生産終了モデルについても取扱実績が豊富な信用できる店舗での購入を徹底しましょう。

    失敗例7.ヴィンテージロレックスを正規店でオーバーホールに出す

    ロレックスの状態を維持するには、定期的なオーバーホールが欠かせません。しかし、ヴィンテージロレックスを正規店でオーバーホールに出すと、希少価値のあるパーツを新品に換えられて、価格が下がってしまうことがあります。

    希少価値を保ったままメンテナンスをしたい人は、多少コストがかかっても専門店に依頼しましょう。

    ロレックス投資は仕入先・売却先も重要

    ロレックス投資の仕入先・売却先には、以下のような選択肢があります。
    <ロレックス投資の仕入先や売却先>
    ・正規店
    ・並行輸入店
    ・中古ショップ
    ・ネットオークション
    ・フリマアプリ
    投資目的の場合は、できるだけ安く仕入れることが基本です。ただし、購入価格だけで商品を選ぶと、カスタム品や文字盤リダン(再生)品などの粗悪品や偽物、価値のないモデルを掴まされるリスクがあるでしょう。

    そのため、現行品は正規店からの購入、セミヴィンテージやアンティークモデルは信用できる専門ショップからの購入をおすすめします。ロレックス時計の専門ショップの情報収集で悩んでいる人は、幅広いモデルを取り扱っている「Art Bridge」をチェックしてみてください。

    失敗を防ぎやすいロレックス投資のモデルは?

    ロレックスの時計には多くのモデルがあるため、投資対象として選ぶ際に迷ってしまう人は少なくありません。ここからは、失敗を防ぎやすいロレックス投資のモデルを紹介します。

    GMTマスター

    GMTマスターは60年以上前から愛されるロングセラーモデルであり、世界中にコレクターやファンが存在しています。中でも1959年まで製造された「6542」や、1980年頃まで製造された「1675」は、アンティーク市場で高い人気を誇っています。

    ※状態が良いものであれば、中古品でも1,000万円超の値がつけられる「GMTマスター 6542」。

    引用元: Chrono24「Rolex (ロレックス) GMT マスター」

    ※1980年代から根強い人気を誇る「GMTマスター 1675」。

    引用元: Chrono24「Rolex (ロレックス) GMT マスター」

    ※「GMTマスター 1675」の価格推移チャート。

    引用元: Chrono24「Rolex (ロレックス) GMT マスター」

    GMTマスターは需要に対する流通量が少ない傾向があるため、全体的に値崩れしにくいという特徴があります。

    デイトナ

    ステンレスやゴールド、プラチナ、コンビモデルなどがあるデイトナは、資産価値が安定しているモデルです。主な投資対象としては、「16520」や「6263」などの型番があります。

    ※「デイトナ 16520」の実物写真。

    引用元: Chrono24「Rolex (ロレックス) デイトナ」

    ※状態が良いものは1,000万円以上で取引される「デイトナ 6263」。

    引用元: Chrono24「Rolex (ロレックス) デイトナ」

    デイトナは全体的に根強い人気があり、特にステンレスモデルは価値上昇を期待しやすい傾向にあります。

    サブマリーナー

    サブマリーナーは、1953年に発表されたダイバーズウォッチです。デザインが特徴的でムーブメントも高精度なことから、ロレックスの中でも絶大な人気を誇ります。

    ※状態が良いものは600万円以上の値がつけられる「サブマリーナー 5512」。

    引用元: Chrono24「Rolex (ロレックス) サブマリーナ ノンデイト」

    ※直近10年間で、取引価格が3倍ほど上昇した「サブマリーナー 14060M」

    引用元: Chrono24「Rolex (ロレックス) サブマリーナ ノンデイト」

    ※「サブマリーナー 14060M」の価格推移。

    引用元: Chrono24「Rolex (ロレックス) サブマリーナ ノンデイト」

    グリーンやゴールド、イエローゴールドなどカラーも豊富なので、趣味と投資を両立させたい人にも向いているモデルです。

    成功例から学ぶロレックス投資のポイント

    ここからは成功例とともに、ロレックス投資のポイントをまとめて紹介します。どのような投資が成功につながるのか、ロレックス投資のコツを押さえておきましょう。

    成功例1.希少価値が上がる生産終了モデルを選ぶ

    ロレックスの中でも、すでに生産が終了したモデルは希少価値が上がりやすい傾向にあります。例として、1963年~1988年にかけて製造された「エクスプローラー 1016」の価格推移を見てみましょう。

    ※「エクスプローラー 1016」の価格推移。生産終了から30年以上が経過した現在でも価格が伸びている。

    引用元: Chrono24「Rolex (ロレックス) エクスプローラー」

    現行品とは違い、生産終了モデルは流通量が増えることはありません。そのため、特に根強い人気を誇る生産終了モデルは、今後も価格上昇が期待できるでしょう。

    成功例2.状態が良いまま保管し、付属品もつけて売却する

    ロレックス投資で成功する人は、資産価値を維持するために厳重な保管を心がけています。趣味としても楽しんでいる人は、定期的なオーバーホールを行って資産価値を保っています。

    また、型番が記載されている箱などの付属品も、高額査定につながるポイントです。付属品はコレクターから高く評価されることがあるため、本体とあわせて厳重な保管を心掛けましょう。

    成功例3.円安のタイミングを狙って売却する

    ロレックスのファンは世界中に存在するため、売却時にも為替相場が影響します。少しでもリターンを増やすには、できるだけ円高のときに購入して円安のタイミングを狙って売却することが大切です。

    分かりやすい例として、米ドル円による売買シミュレーションをしてみましょう。腕時計自体の価値は変わらないものと仮定し、1ドル=100円のときに100万円の腕時計を購入して為替変動後に売却するケースを考えてみます。

    <1ドル=80円のときに売却する場合>

    リターン=腕時計の売却額-腕時計の購入額
        =(100万円×0.8)-100万円
        =マイナス20万円

    <1ドル=120円のときに売却する場合>

    リターン=(100万円×1.2)-100万円
        =プラス20万円

    シミュレーション結果から、円高時・円安時では期待できるリターンが大きく変わることが分かります。例外もありますが、基本的には「円高のときは安く買える」「円安のときは高く売れる」ということを意識して取引のタイミングを考えましょう。

    まずは信用できる仕入先や売却先を探してみよう

    ロレックス投資を成功させるには、購入する際に粗悪品や偽物を見極める必要があります。しかし、初心者では見分けがつかない違いもあるので、まずは信用できる仕入先や売却先を探すことから始めましょう。

    ロレックスの時計の投資対象で迷っている人は、本記事で紹介した人気モデルを中心に情報を収集してみてください。
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