国内外から着実に評価を高める「白州」。おすすめの銘柄やオークション落札価格をご紹介

    2023.04.19

    世界的な人気を誇り、日本を代表するウイスキーのひとつ「白州」。人気は衰えを知らず、今でも価格が高騰。入手しにくい状況が続いています。そんな白州の特徴や種類、価格の推移や入手方法をまとめました。
    (TOP画像引用:サントリー)

    白州とは

    山梨県北杜市、自然豊かな森の中にある「白州蒸留所」。シングルモルトウイスキー白州は、その自然の中で作られ、熟成された一本です。

    仕込み水には、白州の名水「南アルプスの天然水」が使用されています。南アルプスを流れる天然水は適度にミネラル分を含んだ軟水で、白州の爽やかな香りや軽快で柔らかな味わいの秘訣といえるでしょう。

    白州は、日本国内だけでなく海外からも人気を集める一本となっています。2006年には世界的に権威のある酒類コンペティション「ISC(インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ)」にて白州18年が金賞を受賞。その後も、数多くの賞を受賞しています。白州を求めて来日する人もいるほど、多くの人々を魅了する銘酒です。

    白州の種類

    白州には、たくさんの種類があります。定番は、ノンエイジと呼ばれる年数表記なしのボトルや年数表記がされているボトル。限定リリースまで含めると、実に多種多様です。

    シングルモルト

    ひとつの蒸留所のモルト原酒のみで作られたウイスキーを「シングルモルト」と呼びます。シングルモルトウイスキーは、その土地の水や風土、気候などが織り成す各蒸留所独特の味わいが楽しめることが魅力。

    「シングルモルトウイスキー白州」は、森を想わせる爽やかな香りやほのかなスモーキーさを感じさせる味わいです。

    ピュアモルト

    ピュアモルトは、モルトウイスキー100%で作られたウイスキーです。スコットランドでは「ブレンデッドモルト」と呼ばれることもあります。

    多くの場合は「シングルモルト」と表記されるのが一般的ですが、過去にリリースされた白州では、上記画像のように「PURE MALT(ピュアモルト)」と表記されているボトルもあります。

    「ピュアモルト」と記載されている年代ものの白州は希少な一本と言えるでしょう。そのため「白州ピュアモルト」は相場が高くなっています。

    白州の価格が高騰している理由

    数年前と比べると白州の値段は高騰。「白州ノンエイジ」はメーカー小売希望価格4,500円で、2014年当時のECサイトでは参考価格が3,346円でした。

    ところが、直近のECサイトでの参考価格は約9,000円。「白州12年」はメーカー希望小売価格1万円に対して、ECサイトでの参考価格は約3万9,000円となっています。

    こうした急激な価格上昇の背景には、2つの要因があります。

    ジャパニーズウイスキーの需要が高まっている

    2009年ごろに起きたハイボールブーム、ウイスキーづくりに情熱を燃やす主人公を題材とした2014年のNHK連続ドラマ小説「マッサン」のヒットにより、日本国内のウイスキーに注目が集まり国産ウイスキーの消費量が急増。

    さらに2018年には、世界的な酒類コンティペションISC(インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ)にて「白州25年」が最高賞となる「トロフィー」を、WWA(ワールド・ウイスキー・アワード)で「ワールドベスト・シングルモルトウイスキー」を受賞。

    白州は一気に世界中から注目されるウイスキーとなり、世界各地のウイスキーファンから求められるようになりました。

    ウイスキーの原酒が不足している

    需要の急激な高まりに対して、ウイスキーづくりは長い時間を要します。ウイスキーと呼べるまでの熟成期間は、最低でも3年。そして「白州25年」のような味わい深いウイスキーづくりには相当の熟成期間が必要です。「白州12年」の味わいを作るにしても、20年や30年物の原酒が必要になることもあります。

    高まる一方の需要に供給量が追い付かない状況が続き、ジャパニーズウイスキーの価格は高騰する一方です。

    白州の定価と価格相場

    価格が高騰するジャパニーズウイスキー。なかでも、白州は人気を集める銘柄のひとつです。ここでは、白州でとくに希少性が高いボトルを紹介します。

    白州18年

    18年以上をかけて熟成させた、モルト原酒のみを使った一本です。完熟したメロンやマンゴーのような果実香にほどよい樽香、そして白州らしいキレ。深い香りとほのかなスモーキーさにコクのある味わいが特徴で、クリアさと複雑さが共存したバランスのいいウイスキーです。

    ISCのほか、IWSC(インターナショナル・ワイン&スピリッツ・コンペティション)など数多くの世界的な賞を受賞しました。

    メーカー希望小売価格は3万2,000円ですが、海外のオークションサイトでは約15万9,000円の落札実績があります。

    白州25年

    酒齢25年以上の希少な白州モルト原酒だけを使用した、贅沢な一本。あんぽ柿のような完熟フルーツの香りとクリーミーさをあわせ持ち、円熟された複雑で芳醇な味わいを醸し出します。口に運べば深く長い余韻が続き、飲んだ人はもれなく虜になるでしょう。

    ISCにおいて、白州25年は7年連続金賞以上を受賞。2018年には最高賞となる「トロフィー」を受賞しました。

    メーカー希望小売価格は16万円ですが、海外オークションサイトでは約109万5,000円の落札実績があります。

    白州バーボンバレル

    「白州」を語るうえで欠かせないバーボン樽。バーボンウイスキーの熟成に1回だけ使われた北米産のホワイトオークの樽で、容量は180ℓとサントリーで使われている樽の中では最小サイズです。

    この樽で熟成させたウイスキーは、トロピカルフルーツやシトラスを想わせる爽やかで華やかな香り、軽快でなめらかな味わいをまとい、キレのある余韻が特徴です。白州バーボンバレルには17年以上熟成させた原酒が含まれており、限定ボトルとしてリリースされました。

    2011年のISCでは「金賞」を受賞するなど高い評価を受け、メーカー希望小売価格は9,000円でしたが、現在は国内のオークションサイトで約13万円と、プレミア価格で取り引きされています。

    白州シェリーカスク

    シェリーワインの貯蔵・熟成に使われるスパニッシュオーク樽で熟成された白州モルト原酒だけを使用した一本。白州ブランドの味わいを構成する原酒のひとつで、マイルドで軽快な味わいにシェリー樽由来の華やかで甘い香りにビターな余韻が特徴です。サントリーウイスキーが持つ多彩な原酒の作り分け技術の真髄を味わえるウイスキーで、より白州の魅力に触れられます。

    2012~14年までリリースされていたボトルで、とくに「白州シェリーカスク2014」は生産本数3,000本と数量限定で販売され、即完売となった希少なウイスキーです。

    販売当初の希望小売価格は9,000円。入手するためにはオークションか再販売を待つしかありません。大手オークションサイトでの参考価格は約38万7,000円と高値で取引されています。

    白州オーナーズカスク

    2003年より、山崎蒸留所と白州蒸留所のモルト原酒と樽ごと販売し、瓶詰して購入者へ届ける新サービスが導入されました。そのボトルがオーナーズカスクで、スコットランドではよく行われていたサービスでしたが、日本では初のシステムでした。

    ところが、2012年に一時休売が発表。現在、山崎蒸留所と白州蒸留所のオーナーズカスクの購入はできないので、現存するボトルには希少価値が付けられています。

    蒸留年や熟成年数によって変わりますが、海外オークションサイトでは約60万1,000円で落札されたボトルもあります。

    白州を入手する方法

    現在、白州はなかなか入手できないウイスキーのひとつです。一昔前まではスーパーでも手に入るウイスキーでしたが、今は入手できる場所が限られています。

    今、主に入手できる場所は、
    ・サントリー公式の抽選販売
    ・百貨店などの抽選販売
    ・楽天・アマゾンなどのECサイト
    が中心です。

    サントリー公式の抽選販売

    サントリー公式のサイトにて抽選販売が行われることがあります。直近で行われた白州の抽選販売では「白州スパニッシュオーク2021」が300本限定で販売されました。
    公式サイトでの抽選販売は定価でボトルを入手したい方におすすめですが、倍率が高いため入手できるかどうかは運しだいです。

    百貨店などの抽選販売

    三越・マルイなどの百貨店やビックカメラなどで、抽選販売がおこなわれています。販売方法は店頭やオンラインですが、不定期販売です。抽選販売も定価で入手できる方法のひとつですが、「転売目的」と判断された場合は当選取り消しもあります。

    AmazonなどのECサイト

    Amazonや楽天などECサイトでも白州が販売されています。ただそのほとんどがプレミア価格となっています。ごくまれに抽選販売などもおこなわれているため、入手したい方は定期的にチェックしてみるといいでしょう。

    まとめ

    世界に誇れる日本の銘酒となった白州。今では高い人気を誇り、入手困難な状況が続いております。需要が増す一方で、ウイスキーは完成までに長い年月が要するため供給が追い付いていない状態です。そのため、人気の高いウイスキーは現在プレミア価格となっています。気になる方は、白州をコレクションとしてくわえてみてはいかがでしょうか。
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