大切な美術品の保管ミスが価値の低下に|専用倉庫の利用を検討しよう

    2023.06.08

    美術品を、自宅にそのまま保管されている方もいらっしゃるのではないでしょうか。美術品はデリケートです。保管方法を誤れば状態が悪化すると共に、価値が下がってしまいかねません。また、価値があるからこそ盗難に遭うリスクもあります。

    せっかく手に入れた美術品をリスクから守るために、今回の記事では美術品専用の倉庫を利用するメリットについて解説します。

    美術品の保管を配慮すべき理由

    美術品を投資対象として手に入れた場合は、良い状態をいかにキープするかがとても重要です。

    日本国内は多くのエリアで季節が移り替わり、室内環境がその時々で変化します。台風や地震など自然災害も多いことから、美術品を保管する際には特に気を配らなければいけない環境です。

    「落下などの衝撃を受けて作品が破損してしまった……」「温度・湿度の管理が行き届かず絵画の状態が劣化してしまった……」というリスクは常にあることを認識しておかなければいけません。

    汚損や破損で品質が落ちれば、美術品が持つ市場価値が著しく下がってしまいます。

    美術品の保管に失敗した場合のリスク

    それでは、美術品を自宅で保管した場合に考えられるトラブルについて考えていきましょう。

    日光や害虫によって状態が悪化

    美術品の状態が悪くする理由の一つは、日光です。自宅内で日の当たりやすいところに置いておくと、色あせや色やけを起こしかねません。

    また、天候により温度・湿度が変化しやすくなります。例えば、雨が降った際や夏場など湿度が高くなりやすい場所に美術品を置いていると、カビが発生したりシミがついてしまったりする危険があります。

    一方で、乾燥した場所に美術品を置きっぱなしにすると、キャンバスの変形やひびが入る場合が考えられます。

    その他、害虫の被害に遭うリスクもあります。虫食いによる汚れや破れが起きてしまうと、美術品が持つ価値は大幅に下がってしまうでしょう。

    盗難の危険も

    自宅に価値ある美術品を保管していることが何らかの理由で知られた結果、盗難されるリスクも高まります。

    他人事のように思いがちかもしれませんが、美術品の窃盗は遠い昔から起きており、盗まれた美術品は密輸業者の手に渡り、規制を潜り抜けやすい国や地域に持ちこまれてしまいます。アート投資への興味や関心が高まるにつれ、盗難品を売買する闇市場は巨大化しているようです。
    ■海外では…

    引用元: IMS

    「近代史上最大の盗難事件」とされるガードナー美術館盗難事件(1990年)では、フェルメールの『合奏』を含む13点が盗難。コロナ禍で閉館中だったオランダのシンガー・ラーレン美術館盗難事件(2020年)では、ゴッホの『春のヌエネンの牧師館の庭』が盗まれてしまいました。

    ■国内では…

    引用元: 山梨日日新聞

    山梨県立美術館では、2022年に時価60万円の工芸品が、2023年にはミレーの作品を模写した油彩画『母親の心づかい』と銅版画『イタリアの思い出』がそれぞれ盗難に遭いました。

    自宅での盗難事例もあり、2000年には世田谷区の住民宅からルノワールの絵画が盗難に。盗難に遭った作品は鑑定の目を潜り抜け、2013年にサザビーズの競売にかけられてしまいました。

    また、2022年には兵庫県内で棟方志功の作品など71点が盗まれる事件が発生。事件の犯人は被害者の知人である古物商でした。

    このように、美術品を狙った空き巣は決して他人事ではありません。被害から大切な美術品を守る意味でも、自宅保管以外の方法を考える必要があると言えるでしょう。

    美術品の収納・保管に最適な環境

    引用元: architecturephoto

    では、大切な美術品はどのような環境で保管することが望ましいのでしょうか。美術品の収納・保管に理想的な環境は「日かげで風通しが良く、温度が一定で湿気がこもらない」環境です。一般的には、温度20℃/湿度50%程度が適しているとされています。

    自宅における美術品の保管場所として、多くの方は「押入れ」「クローゼット」をイメージされるのではないでしょうか。確かに直射日光は入りにくいですが、湿気がこもりやすくなる場所です。

    また、スペースに余裕がなく、所狭しと物が置かれてしまう中で擦れや破れが起きてしまうリスクがあります。「台風」や「地震」などの天災が起きた場合に、周囲から物が落ちてこない、浸水しない場所への保管は必要不可欠です。

    さらに、空き巣被害を未然に防ぐために、セキュリティに配慮された場所が望ましいとも言えるでしょう。

    美術品の保管は専門倉庫が最適

    しかし、自宅に美術品を守る万全の環境を整えることは簡単ではありません。専用の部屋を作るとなれば、多くの費用がかかってしまいます。

    そこで検討したいのが、美術品専門倉庫の利用です。美術品の管理を専門(もしくは強み)とする業者が運営する倉庫を利用することで、大切な美術品を安心して保管できます。

    美術品専門の倉庫を利用するメリットとして、具体的には以下4つのポイントが挙げられます。

    【1】エアコンやサーキュレーターなどの空調設備により、美術品の保管に適切な温度・湿度管理(温度:20℃、湿度:50%程度)が可能。

    【2】入退館の管理システム、防犯カメラ・モニター・赤外線侵入センサーなどの設置、および警備会社との連携などセキュリティ体制が充実。

    【3】耐震・耐火構造、免震装置、消火設備、自家発電装置などの防災対策も万全。

    【4】経験豊富なアートハンドラーを擁するなど、プロのノウハウを活かして美術品を最適に保管。


    気をつけたいのは、ロードサイドにあるようなコンテナタイプのトランクルームは温度・湿度管理に対応していない場合が多く、美術品の保管には不向きです(たとえ利用しようとしても規約でNGとなる場合があります)。

    価値ある大切な美術品ですから、保管には専門倉庫を選ぶことをおすすめします。契約前に見学可能な業者もありますので、気になる方は環境を事前にチェックしてみてください。

    大切な美術品を守る『COLLET STORAGE』

    コレクション資産管理アプリ『COLLET』を提供するbetween the artsでは、大切なコレクションをリスクから守る保管サービス『COLLET STORAGE』を運営しています。

    料金は月額で1点あたり400円から。専用倉庫での保管に加え、利用プランに応じて専用窓口での問い合わせ対応や補償サービス、購入後の納品立ち合い、定期的なコンディションチェック、コレクションを手放したい場合の販売代行まで、幅広いサービスが利用可能です。

    ▼『COLLET STORAGE』の詳細はこちら
    https://lp.collet.am/storage

    まとめ

    今回は、美術品を自宅で保管するリスクについて解説しました。一生の宝物としてアートを買われた方も、アート投資に取り組まれている方も、大切な美術品を汚損・破損・盗難から確実に守るために、美術品専門倉庫の利用を検討することをおすすめします。
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